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まつもとあつしの日々徒然

はてなダイアリーからようやく移行しました

(終了迫る)栗本薫/中島梓展 〜書くことは 生きること〜

栗本薫・中島梓(1953年2月13日 – 2009年5月26日 Wikipedia)

今月26日までと会期終了が迫っているが、表現に関わる人、それを生業とする人、それを目指す人には是非おすすめしたい。

個人的には、栗本氏の作品との出会いは、評論「コミュニケーション不全症候群」だった。1991年の著作だが、現代に通じる若者の悩みとその処方箋を鮮やかに描き出していた。私自身もその着眼点や、考察の進め方にはたぶんに影響を受けている。

弥生美術館はとてもこじんまりとした建物だ。
東京大学の裏手(根津側)にひっそりとあり、実は私もここに通い初めてから3年経ってはじめて存在を知った。

建物は木造の3階建て。その1、2階の2部屋で今回の記念展は開かれている。

1階では世界最多となる130巻を数え、栗本氏の逝去により未完に終わった「グイン・サーガ」を中心に、氏の生い立ちや、幼少期からの創作ノートも展示。

グインサーガの表紙を飾った加藤直之氏、天野喜孝氏らの原画も数多く集められ、作品を知る人なら一気にグイン・サーガの世界に引き込まれるはずだ。

2階は、栗本氏が中島梓の筆名で行ってきた評論、JUNEでのいわゆるBL作品、演劇演出、作曲など氏のあふれでんばかりの創作の数々を辿ることができる。

栗本氏は1日3時間の執筆活動で、これだけの作品を世に送り出してきたということに改めて驚かされる。ガンとの闘病を綴ったノートの最後のページまで、表現者としてのエネルギーは尽きることは無かった。

私たちがこの世にある間に、果たしてどのくらいの物事を表現して、影響を与えることが出来るのだろう?表現するということに対して、逡巡・躊躇することなど些かも意味を持たない。「書くことは生きること」というタイトルを裏切らない企画となっている。

文京区弥生美術館で9月26日まで開催。