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まつもとあつしの日々徒然

はてなダイアリーからようやく移行しました

読書メモ公開「形なきモノを売る時代」

先月上梓した「スマート読書入門」(技術評論社)では、書籍のデジタル化から、読書メモを取ったり、感想をソーシャルメディアを通じて共有・交流するといったことを提案しています。

スマート読書入門 ?メモ、本棚、ソーシャルを自在に操る「デジタル読書」 (デジタル仕事術)

スマート読書入門 ?メモ、本棚、ソーシャルを自在に操る「デジタル読書」 (デジタル仕事術)

ということで、西田宗千佳さんの「形なきモノを売る時代 タブレットスマートフォンが変える勝ち組、負け組」を読んで感じたこと、考えたことをメモしましたので公開します。西田さんからは有り難くもTwitterで「異論歓迎」と頂いたので、ツッコミも含めて(笑)
とはいえ、綿密な取材と多角的な考察でうならされるところ多数。

P29 パソコンにケイタイ電話の発想を取り入れた?
P33 モトローラの話題もいち早く取り入れられている、さすが!
P.39 タブレットは「テクノロジードライバ」
P.52 代替するものだろうか?むしろ補完として見るべきでは?
P.72 テレビのビジネス構造にはもう少し説明あった方が一般の読者にはわかりやすいかもしれない。
P.74 Zガンダムの視聴数アップはプロモーションのおかげもあるのでは?
P.160 ゲーム機のネットワーク化による収益性の改善には対して西田さんは懐疑的(後に夏野剛さんも同様の見解を示す)
P.166 「読むべきものが無いわけではない」については異論あり。確かに書店在庫が無いものは便利だか、売れ筋だけの「駅前の本屋さん」が電子書籍に求められる姿だろうか?
P.171 ネットでは定番化の圧力が強い→ここからのリアル店舗とネットストアの相違点の考察は興味深い
P.175 マーケティングの古典的な問題が解決されていないと言うよりも、既存のプレイヤーが十分にそこに対応できていない、あるいは対応するだけのリソースを割けていない(費用対効果に合わない)のが現状ではないかと思う。そういう意味でも、パッケージ大手が新興ソーシャルと競業するのは合理的だということが分かる。
P.180 クエリーシーカーによる分析は興味深い
P.184 アクトビラがここでようやく登場するが、当初は国、そして現在も大手各社が参画しているにも関わらずインパクトは薄い。
P.186ネットフリックスABテストを紹介。方法論はネットであるべき、主導権はものづくりであるべきではない。なるほど。
・Andridマーケットの「酷さ」は独自マーケット前提だからではないか?むしろそこに利点があると考える。
P.192 「アプリの勝負はリリース後72時間」
P.201 この図は繰り返し参照したい。
P.206 ここからからイヴの時間を紹介。完成へのプロセスを楽しんでもらう。ただし余りにも完成度が低いと悪評につながる。
P.217 ウィンドウの同時展開は違法配信対策の一面も。
イヴの時間は単なるネット発アニメというだけで無く、Gyaoからニコニコに展開した緻密なウィンドウ展開があったことは注意しておきたい。このあたりは来年書籍にまとめる予定。
P.221 このあたりでライブというプレミア消費、例えばニコファーレ、ニコミュの事例、狙いもあわせて考えておきたいところ。
→またガンダムUCの劇場プレミアム上映は従来の劇場公開と異なり、プレミアムライブ的な位置づけにあることは注意しておきたい。興行収益そのものよりも告知効果を期待しているところは大きい。
私の取材の中でも「映像そのものの価値は無くなった」と刺激的なコメントがあったことを思い出す。一方で映像を巡る商品「モノ」てで儲けているプレイヤーもいる。つまりグッドウィルモデルの存在感が否応なしに高まっていると感じている。

メモ書きなので、脈絡ありませんが、本書を読まれた方、これから読もうとする方の参考になれば幸いです。

総合すると「形なきモノを売る時代」の先には「形なきモノを媒介として(相対的に価値が高まった)形あるモノを売る時代」がもうすぐそこまで来ている、というのが、私の実感であったりします。
いずれ西田さんとはまたディスカッションしたいという思いを強くしました。