まつもとあつしの日々徒然

はてなダイアリーからようやく移行しました

企業に不満を伝えることについて

「今からおまえの名前は千だ。いいかい、千だよ。わかったら返事をするんだ ...」

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ちょっとまだ考えがまとまりきっていないところもあるのですが、取り急ぎ。

Facebookに続きGoogle+も、「偽名?と疑わしいアカウント」を停止していることが話題を呼んでいます。

実名なのにGoogle+のアカウントが停止されてしまいました。Googleは私に改名しろと言いたいんでしょうか。 - tokuriki.com

なんとなく、徳力さんのこの記事を読んでモヤモヤとしたものがあります。

たしかに、実名で登録しているのにも関わらずアカウントを停止されては良い気持ちはしません。
自動処理で疑わしいアカウントを抽出しているはずですが、そのアルゴリズムにも改善が求められるものでしょう。
Googleの他サービスと紐付いているため、アカウント停止の影響範囲も広いわけで、ユーザーへの事前通告はより積極的に行われるべきでしょう。

ということを前提に起きつつ・・・

モヤモヤを呼び起こしたのは、たぶんこの記事の記憶が強く残っているからだと思い至りました。

UCCのTwitterマーケティング炎上事例に見る、マスマーケティングとソーシャルメディアマーケティングの境界線 - tokuriki.com

去年2月のこの記事は、Twitterを使ったマーケティングに企業が試行錯誤している状況で起こった事件を、客観的に分析し、UCCさんに対してエールを送っています。

マーケティング事業者である私が書くのもおかしな話ではありますが、今回の迅速な対応を見る限り、会社のカルチャーとしては、実はUCCソーシャルメディアを上手く活用することができる可能性が十分あるのではないかと思ったりもします。

 今回の炎上でUCCさんがTwitterアカウントを閉じてしまったり、ネットを通じた利用者とのコミュニケーションのチャネルを閉じてしまうことになってしまわないことを切に願いますし。

これに対して今回の記事では、

本名で停止されたら俺は一体どうすればいいわけ?

名前変えろと言うことですか?

(中略)

全自動で判断するシリコンバレー系の会社を、日本のマスメディアが叩くのも分からないでもなくなっちゃうなぁとか、無駄に余計なことをいろいろと考えてしまう金曜日の朝です・・・

と、かなり論調が違っているわけです。

個人的には、もちろん偽名検出のアルゴリズムなど問題は多々あることは同感しつつも、ソーシャル「メディア」について、いまアジェンダ設定するのはそこなんだろうか?たとえば、クーポンの問題や、位置情報は誰のものか、といった問題かなと思ったり、シリコンバレー系の会社って日本のマスメディアに押し並べて叩かれていたっけ?と思ったりして、たぶんその辺でモヤモヤを感じたのかなと。*1
まだ僕自身も答えは見つけられていませんが、企業に対してクレームを付けるのも、一種の対話だとすれば――特に「メディア」の冠を付けて向き合うとすればどういうアプローチが良いんだろう、少なくとも「快/不快」を超えた何かが要るんだろうな、などとなんとなく思います。

(参考)
FBでホットペッパーがスポット情報を登録しまくっている件 - hitoshi DAILY

isologue - by 磯崎哲也事務所: 日経ビジネスのPikuに関する記事について

ASCII.jp:既存iPhoneユーザーの2段階制パケット料金への移行が可に

#2011/10/01 追記
その後、こちらの件解決されたということで顛末を徳力さんの方でまとめておられます。

Google+のアカウント停止から再開までのプロセスで考える、実名と匿名の境界線の曖昧さ

*1:付け加えると、僕自身ペンネームを使っていたり、名前を間違われることに馴れていて「実名」に対して強い拘りがない、というのもあるかも知れませんが。