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まつもとあつしの日々徒然

はてなダイアリーからようやく移行しました

ストレスフリー・ツイッター術

論文やら新書の執筆やらですっかり時間が掛かってしまったけど、ようやく渡辺由佳里(@YukariWatanabe )さんから頂いた本を読了。

ゆるく、自由に、そして有意義に──ストレスフリー?ツイッター術

ゆるく、自由に、そして有意義に──ストレスフリー?ツイッター術

糸井重里さんが「いい家庭教師と、ゆったり話しているような本です」と帯に言葉を寄せているように、平易な言葉で、Twitterをこれから始めようかな、という人から、Twitterを日々使っているけど、最近ちょっとストレスを感じるな・・・という人にまで広くお勧めできる一冊だと思いました。

実は私がこの本を読むのに時間が掛かったのには、もう一つ理由があります。

2009年の年末から今年の初めにかけて、「Twitterでフォロワー1000人できるかな」という集中連載を担当していたことがあったからです。思わずそのときのことを振り返りながら読んでいたら随分時間が掛かってしまいました。

こちらの記事の冒頭で書いたように、Twitter始めたけどいくらツィートしても反応が少ないとつまらない・林信行さんが言うようにTwitterをリアルタイム検索エンジンとして使えるくらいになりたい、という極めて単純な動機からはじめた企画です。

つまり、フォロワーをある程度増やさなくちゃ、ということに行き着きます。いろんな事を試し、読者の方からも様々な反応がありました。結果として大勢の方に私のアカウントをフォローして頂くことにもつながりました。

しかし、渡辺さんが本書第4章「ツィッターの迷信と真実」で戒めている「フォロワー数=ステータス」、という風潮をもしかしたら助長してしまったのではないか、という反省があります。記事の中でも折に触れて、数を追求することが目標ではない、とリマインドはしたものの、今でも時々「どうやったら、手っ取り早くフォロワーを増やすことができますか?」という質問を受けて躊躇することがあるのです。

「ゆるく、自由に、そして有意義に」では、まさにその質問に対してうまく答えているし、最近Twitterを眺めていて毎日のように起こるスパム的な行為、晒しあげ、人格攻撃に対してストレス少なく対処する秘訣も紹介されています。

積極的にフォローを続けることで、フォロー返しを受け、結果的にフォロワーが増える、という仕組みは確かに存在しています。ただ、リストやクライアントのカラムを使っても限界はあります。本書では3000をその上限として例を挙げていますが、私もその辺りが限界です。

それに気づかせてくれたのは、2,001人を超えるとフォロー数の1.1倍しかフォローできない、というTwitterの仕様でした。ある日フォローができなくなり、そこからまたTwitterに対する向き合いかたが変わった――ある意味自分の中での「Twitter祭り」が終わった瞬間でもありました。

もちろんインフラへの負担も考慮しているとは思いますが、こういう仕組みを設けているTwitter社は賢いなあと思います。この上限を超えてフォロワーを増やすには、本書で「悪い例」として紹介されている幾つかの努力が必要となるのですが、その履歴も少し調べれば分かるようになっている訳です。

渡辺さんはTwitterを「パーティ」に喩えて話を展開されていて、これが最後までスラスラと本書を読める流れを生み出しています。パーティの場で幾ら目立つ行為をしたり、沢山の名刺を集めて廻ったとしても、パーティを離れた日常に実が無ければ、虚しいだけでしょう、とやさしく、しかし的確に指摘をされています。

Twitterの登場当初は、あたかもその場をユートピアのように喧伝する向きもありました。実名で、お互いが批判・非難することなく、助け合いが実現するような場にしましょう、といったような語られ方がしたものです。しかし、人間が集まる場である以上、揉め事はつきものです。ある面で人間は当事者・傍観者ともそういった事態を望むという性(さが)もあります。

賑わってきて、様々な人が次々と参加するネットコミュニティとは、必ず変質していくというのが現実ですから、その変化を嘆くよりも、賢く振る舞える術を身につけて引き続きその場を有意義に楽しむというのが合理的でしょう。

おおよそ、良著というのは本来読むべき人になかなか読んでもらえないというジレンマがありますが、冒頭に挙げた初心者〜中級者(という分け方が最適かはさておき)が、一読しておくことで、要らぬストレスやトラブルから解放される、予防薬となり、悲しいかな既に巻き込まれてしまった人にも、きちんと傷を癒してくれる、そんなお薬のような一冊でした。

こちらから見本もダウンロードできるそうです。