まつもとあつしの日々徒然

はてなダイアリーからようやく移行しました

藤津亮太さんとYouTube番組「アニメの門DUO」をはじめます

はてなブログの更新頻度がほぼ4半期に一度くらいのペースになってしまっていますが、お知らせです。

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藤津亮太とまつもとあつしのアニメの門DUO

アニメ評論家の藤津亮太さんとYouTube番組「アニメの門DUO」を5月1日21時半からはじめることになりました。第1回目のテーマは「緊急事態だから観たいアニメ10選」です。いま私たちは、新型コロナウィルス感染拡大に伴って、ほんの数ヶ月前には想像もしなかった状況に置かれています。書籍の世界ではカミュの「ペスト」が多く読まれるなど、物語になんらかのヒントを見いだそうとする人が増えるなか、「いま観たいアニメ」も改めて整理しておきたいと考えたのがこのテーマのきっかけとなっています。

新作アニメの放送も残念ながら延期となるものが多い中、過去に観たことがある作品でもこういった状況下で再度観ることによって、きっと様々な発見や気づき(もしかするとちょっとした希望のようなものも)得られるのではないかと思っています。私からも2作品ほど番組に持ち寄って、藤津さんと色々と語り合いたいなと思っています。

藤津×まつもとという組み合わせがなぜ生まれたのか?

「藤津ウォッチャー」ならご存じのように、藤津さんはアニメと批評を巡るネット上の議論でここ数ヶ月注目を集めていました。私も以前から「どうしてアニメの評論って少ないのだろう? 多様な評論が存在していれば、海外も含めたより多くの人たちからアニメってもっと評価されるのではないか」という問題意識を持っており、藤津さんに取材を申し込んだところ、藤津さんもわたしを番組に招こうと考えて頂いていたという幸運がありました。結局その時は藤津さんのニコニコ動画ブロマガでの番組スケジュールと折り合わず、まずロングインタビューをさせてくださいということになり、それが形になったのが先日Yahoo!個人で掲載され、一部で非常に反響が大きかったこちらの記事です。

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対面取材が行なえたギリギリのタイミングでした

 

news.yahoo.co.jp

3月半ばに行ったこのインタビューですが、まだ緊急事態宣言には至っていなかったもののすでにテレワークの動きが拡がっていた影響で、なかなか貸し会議室が押えられず、びっくりするぐらい狭い=密な空間で議論を交すことになりました。こういう対面取材、再び行なえるようになる日は来るのでしょうか……。

記事を読んでもらえれば分かりますが、文字面以上に前半は意見がぶつかる(というか、主に私の主張に藤津さんがどんどん突っ込んでくる)というなかなか緊迫感のある展開です(同席した編集さんも「ひやひやした」と後で感想を述べてました)。でもこれが、予定調和ではない着地点に至るある種のカタルシスがあるなと思ったのです。割とキレイにはじまってキレイに終ることの多い企業経営者や著名人インタビューとは違う醍醐味がそこにはあります。

「コロナ禍」の中、こういった対面取材は行い難い状況が続きます。けれどもTwitterのようなバーチャルな場でのやりとりで何か互いに関心の共通点が見いだせた時、「オンラインでちょっと話そうよ」という少し大げさに言えば新しいコミュニケーションスタイルが定着する機運も感じます。移動がなく日程調整も簡単。パッと集まって、グッと深いところまで掘り下げやすくなったという感じでしょうか。

この番組もそんな比較的新しい(というとこれまた大げさかも知れませんが、Zoomでリモートで話している様子をYouTubeLiveで流します。「中継局」にいる中の人が舞台裏で色々がんばってます・感謝!)スタイルで(番組作りという面ではずっと経験を詰まれてきた藤津さんの胸を借りながら)作り上げていきたいと思っています。詰まるところ、いまから「まつもとさんのアニメの見方はまだまだ甘い!」と突っ込んで頂けるのを楽しみにしているわけです。そこからきっと何か足場を築くことができるのではないか(とまたやや大げさに)期待しつつ。